変額保険に関する経緯

変額保険に関する経緯

変額保険に関する経緯
もうかれこれ30年ほど前になるでしょうか。新しいタイプの保険商品として突如注目を集めたのが「変額保険」と呼ばれるものでした。
従来の保険は、万一保険事故が発生した場合に、受け取れる金額、そして満期時に返戻される金額があらかじめ決まっており、それ以上を受け取ることはできませんでした。
ところがこの「変額保険」は、保険料の運用実績に応じてたとえば満期時に受け取ることにできる金額が変動するというものです。
保険の発想を根底からくつがえすこの新種の商品に対して消費者は敏感に反応しました。それまで加入していた保険を解約してまでこちらの商品に乗り換えるという契約者が続出し、世間では賛否両論が巻き起こりました。これは果たして保険なのかということです。
しかしこうした保険本質論をよそに、皆目先の利益を求めて我先にと「変額保険」に加入していったのが市場の現実でした。
ただ、この一大ブームを巻き起こした新種の保険が一気に衰退の一途をたどっていくのにそれほど時間はかかりませんでした。この「変額保険」の前提はあくまで市場動向が活況を帯びていること、株価をはじめとした諸要素が上昇傾向にあることが大前提で魅力を持つことのできる商品なのです。ですからひとたび市場が下降線をたどり、冷え切ってしまうと、元本割れを発生し、この商品は全く魅力のないものになってしまうのです。
30年前といえば、まさにバブル絶頂期でした。大学生の就職も完全なる売り手市場で、優秀な大学を卒業予定の学生はどこでも自分の行きたいところを選べる等誠に恵まれた条件下にあったのです。こうした背景に支えられて「変額保険」は爆発的に売れました。
しかし現実はいつまでも甘くはありません。やがて訪れた悲劇、それは「バブルの崩壊」でした。それまで実体のない成長を続けてきた日本経済が一気に破綻するときがやってきたのです。それ以来、市場は一気に下落傾向をたどり、完全に冷え切ってしまったのです。
こうした経済の実態と軌を一にするように、一世を風靡した「変額保険」も衰退していったのでした。

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