マンション総合保険について
マンションのお住まいの方は、ご存知の方も少なくない現状の件ですが、分譲マンションを購入すると、マンションのそれぞれの区分所有者が加入して結成される管理組合という任意団体が自然発生的に成立します。
そして各お部屋については、各区分所有者がそれぞれの管理責任を負うことになり、マンションの廊下や階段、エレベーター設備など居住者が共同で使用する部分(共用部分)や敷地については、構成された管理組合が管理責任を負い、ここにおける事故等の不測の事態が万が一にも発生した場合は、管理組合が現在加入しているマンション総合保険を使用して対応することになります。
このマンション総合保険は、加入する管理組合ごとに内容が異なりますが、施設賠償保険や個人賠償保険、地震保険など様々な主契約・特約等から構成されており、必要に応じてオプションの特約を付けたり外したりしていくことになります。
また1年ごとの掛け捨て保険の他、3年満期の積立型保険や5年満期の積立型保険など様々なパターンがあります。
最近は、個々の住宅保険で個人賠償保険に加入しない世帯が多くなってきましたが、これを受けて近年、マンション管理組合で個人賠償保険に加入するケースが多くなってきています。
マンションにおいては、各お部屋がコンクリートの壁・床・天井を通じて隣戸と接していますので、騒音の問題など種々の個人間の問題が戸建住宅以上に発生しやすい居住形態であると言えます。
そして、このマンション総合保険の個人賠償保険を使用する最も頻度の高い、マンションにおける事故が水のトラブル、すなわち漏水事故です。一般的には重力に従い、上階で水漏れ事故が発生し、下階に被害が生じるというケースが多いですが、個人で個人賠償保険に加入していない場合、全額実費負担で対応するのは気の毒などで、マンションで加入している保険で対応してあげましょうという内容になる訳です。
古いマンションなどは給湯管が銅管でできている場合が多いので、ピンホールが発生してそこから水漏れが発生して事故に至るケースが多いです。一旦水漏れ事故が発生すると、まず漏水の原因調査作業を行い、次いで破損箇所の復旧工事を実際に実施することになります。最後に被害箇所の復旧工事をそれぞれに実施して施工を行うことになりますが、これらの三つの工程は一度に行うことができませんので、それぞれに費用が発生することになります。
上の三つの工程の中で、水漏れ原因調査は、多くのマンション総合保険の主契約に組み込まれていますので、個人賠償保険に加入しておくと、上の例で言う破損箇所の復旧工事以外は保険で対応することが可能となり、加害者の方の負担を大幅に少なくすることができるのです。